未曾有の領域に入った欧米および日本経済、また、低成長に入った中国。資産は投資ではなく、どう守るかが問われています。 ただし、日本円だけで通貨を保有するのもリスクがあり、人民元、ドルの保有も必要です。すでに金融システムが機能マヒを起こし、中央銀行のみがその資金供給先となった今日、金融資本主義は新しい仕組みがないかぎり停止してしまうのではないでしょうか。 また、中国、ベトナムについてもレポートいたします。

水曜日, 2月 24, 2010

金融危機前

 年初よりリスク・ヘッジによる株式、新興国マーケットからのドル・円借り入れによる投資引き上げもあり、お金が昨年 4月以降のリスク投資は資金が逆流していますが、各国みてみるとホーチミンVNインデックスは11月高値 624ポイントから500ポイント前後にあります。
 また、ブラジル BVSPは 1月高値70,451ポイントから現在 66,018ポイント、上海は昨年8月高値 3,471ポイントから現在 3021ポイントです。

 ギリシアの政権交代後の財政状況の修正にたんを発した、ユーロ危機は ユーロ圏の声明もあり 他国まではまだおよんでいないようですが、3月下旬から4月にかけては 危機の連鎖懸念があるため要注意です。
 株式、通貨はボラタリーが高くなるのでプロ以外は様子見を決め込むか、リスク覚悟で挑戦するかです。
 今春 万が一 ユーロ下落からくるドルと円への避難がおきる場合は、事前のドル買い(円以外で)、円買いが必用です。 

月曜日, 2月 22, 2010

ソブリン・デビット

 正確には Sobereign Debit で 日本ではソブリン・リスクと呼ばれています。つまり、直訳すれば国家の債務ですが広義に国家財政の危機を日本ではソブリン・リスクと言った方がわかりやすいのでしょう。
 先週の毎日新聞社発行のエコノミスト、昨日2/21の日経ベリタスでこの国家財政の危機を特集しています。 危機をあおるだけでは解決の道は遠いのですが、解決策はふたつしかありません。 
1) 増税を課す
2) 緊縮財政策にて支出の削減を行う

日本では 財務省が危機と叫んでいるため 日経新聞をはじめ 特集を組んでいますが、英のフィナンシャル・タイムスは日本は騒ぎすぎという論調です。 債務だけではなく純債務をみるべきだと言っています、日経CNBCでもギリシア財政危機を発端としたユーロ圏 の経済危機を特集していましたが、長期金利が上昇するのは間違いないのですがそれがいつかがわからないのです。

 日本よりアメリカの長期金利上昇が早く来そうですが、先物は世界同時に動きますのでそれが来たときは手のほどこしようがなく、中央銀行が国債買い入れ出動を行うのみです。

 現在の危機は、FRBのファニーメイ債の借り換えが3月に迫っていること、ギリシア、スペインなどの国債入札が3-4月に実施されることにあります。 日本は民営化が取り下げとなった郵貯銀行による国債購入がされるため危機は来ないようです。ちなみに郵貯銀行の自己資本比率は94%で そのほとんどは国債です。

金曜日, 2月 19, 2010

米 不可解な公定歩合引き上げ

 日本時間 早朝 (米国東部時間 夕方) FRBは公定歩合を0.5%から0.75%へ引き上げましたが、政策金利は据え置きで 金融引き締めではないとのアナウンスをおこないました。
 一般に公定歩合を上げることは マーケットが年内の政策金利の引き上げを読み取るわけですが、わざわざ金融引き締めではないというコメントは 金融引き締めはできないというメッセージをださざるえない理由があります。 つまり、住宅債券などを保有するFRBは 当面 政策金利をあげることはできず、金融緩和政策を続けるしかないわけです。
 では、なぜ 今回 公定歩合のみをあげたのでしょうか。 今年 TAFなど次々と過去の金融緩和策の期限が来るため、マーケットでは出口政策の期待が高まるのみです。 この公定歩合の変更もその一環かもしれませんが、筆者は政策金利は年内どころか来年も据え置きの状態が続く可能性能が大きいと見ています。
 現在 ユーロ圏の経済危機によりドルへの回帰が続いていますが、緩やかなドル安を継続することがアメリカ経済には快いもので 急激なドル高は 金融危機が高まっていることの裏返しにもなります。
 対外債務を抱えるアメリカですが ドルの発行はいくらでもできるため大量に発行したドルを世界中にばら撒いては回収、ばら撒いては回収することを繰り返してきた2007年以降の通貨政策です。
 しかしながら、欧州、アメリカの金融の覇権争いに ユーロは脱落しそうな気配にあるのが現状であります。
 現在 ドル>円>ユーロ となっていますが、今回の公定歩合引き上げは本当は実態経済が弱いアメリカですが、金融の覇権は渡さないというメッセージかもしれません。
 しかしながら、これが結果的にダウの下落を加速させてしまうことになりかねません。

火曜日, 2月 16, 2010

危険な状態にある先進国経済

ギリシア、スペイン、アイルランド、ポルトガル、スペインの先にある財政破綻懸念の本丸はイギリスです。よって、経済規模が小さいながらユーロ加盟国 ギリシアの財政問題は何としても解決の目処をたてたいところですが、そのギリシアがデリバティブを手がけていたことで問題となっています。そうやら利益を得たとの報道ですが、調査しないことには事実はわかりません。

 フィナンシャル・タイムスは 日本の財政問題は国のバランスシート上 問題なく 騒ぎすぎと記事にしています。 債券>債務で およそ 500兆円の実債務であると分析していますが、自国におよびそうな財政危機を避けるためにも日本にエールをおくっておきたいところでしょうか。

 経済規模が大きい先進国で破綻懸念からいくと スペイン>イギリス>フランス>アメリカ>日本の順序のようです。

それを防ぐには、当面 中央銀行による国債の買い入れしかないところでしょうか。

日曜日, 2月 07, 2010

G7を終えて

 カナダの山奥で非公開で行われたG7 菅大臣は日本の財政規律は金メダルで問題ないと説明して、出席者から笑われたようですが、各国の財務大臣が列席しておる中 そういう説明を真顔でしたのなら
経済音痴を丸出ししたか、ジョークだったのでしょう。
 さて、G7の主なテーマは ギリシア、スペイン、ポルトガルの財政破綻危機 また、そこから波及するイタリア、フランスへの危機ですが、ギリシアはユーロ加盟国のGDPの2.5%ですが、スペインは12%と
危機を食い止めないことにはユーロが破綻してしまいかねません。
 ことは仮にギリシアへ救済をおこなたとしても波及するスペインまでは財政の余裕がないことです。
一方、イギリスはBOSの問題があり、国家がその債務を肩代わりしている状態です。
 
 さて、解決策はでてきたのか、議論で終わったのか 共同声明もでない中では闇の中です。

土曜日, 2月 06, 2010

デフレから脱却できない日本 -2-

 今回はまず デフレから何故脱却できないかを「グローバリゼーション」の観点で見てみましょう。
IT技術が革新的に世界中がつながる以前は、金融の世界はそれぞれの国と国が必ずしもオープンにつながっていませんでした。しかしながら、1990年代初頭のインターネットの普及とサーバー技術の革新により2000年以降は 世界中がネットワークでつながるようになりました。
 為替、債券、株式など一部の国を除き世界中へ資金を投下、回収できるのが現在です。 日本の株式市場をみてみますと、マーケットの方向性を決めているのは主に外国人投資家です。彼らが世界中の株式は引き上げ、商品市場に投入したり、引き上げたり、また、ユーロを売り、ドルや円を買うという動きします。つまり、国内要因だけではないため欧州の金融危機が内在している中、実情を知っているファンドなどはドル、円に退避しているのが昨年末から状況です。
 為替の影響は大きく、円高ユーロ安、円高ドル安の流れは当面続くわけですから、株式市場は軟調となります。
 日本が低金利を続けているかぎり デフレの脱却はないわけです。 一方、金利が上昇すると低利で融資を受けている中小企業の多くがその負担に耐え切れず、破綻してくるところが続出するというジレンマにはっているわけです。

金曜日, 2月 05, 2010

ドルと円は強いがユーロはさらに下落

2/4 N.Y.マーケットで 91円23銭から88円55銭 急落したドルですが、円以外には急騰です。先日 お伝えしましたとおりギリシアを発端とした金融不安から新興国通貨・ユーロ安の流れでドル高、円高がおきていています。金利およびアメリカ経済の悲観よりドル<円の関係で円急騰となったといわれていますが、テクニカル的にみてファンドがドル・ロングポジションを閉じたものではないでしょうか。
 89円30銭をブレークしたドル円は、いったん90円近くまで戻しても 87円を目指していくでしょう。問題はユーロですが、ドルで1.36474、円で121円57銭まで急落したユーロは 1.35割れ、120円割れを目指していきそうです。
 新聞などによりますと逆張りが好まれる日本の個人がユーロ買いをされていたようですが、今回ストップロスになった方々が多いのではないでしょうか。

月曜日, 2月 01, 2010

デフレから脱却できない日本

 居酒屋では270円均一、お弁当も300円弁当、などなど 安くしないと売れない現象をもっと経済学的に分析してみましょう。
 1) 需要と供給の関係
これは経済学の基礎で 需要<供給 の状態が 大幅に供給過多にある状態で かつ 需要回復の見込みが少ないため 価格競争に陥り、また、賃金も減少してしまうといった スパイラル現象が続くものです。 一般に資産価格も下がるため、逆資産効果となり 支出を減らして将来に備えるのが一般的です。

2)通貨供給量
 一般に 通貨供給を増やし インフレ期待を持つようにすれば価格下落は防げるのですが、日銀は伝統的にインフレを防止する政策を採る傾向があるため通貨供給量を増加し続けることには消極的です。 また、国民も物価上昇よりも物価下落の方を好む傾向が見られるため、インフレ政策はとりにくいといわれています。

3)人口動態
 人口が減少する国においては、消費の増加は見込みにくいため 人口を増やす政策をとるという解決策があります。アメリカ、フランス、ドイツなど移民を受け入れる国は成長路線をとれるのですが、移民政策に否定的な日本では人口減少に歯止めをかける術もなく、欧州を見本に「子ども手当て」を導入します。しかしながら、将来に不安をかかえたままでは、子ども生もうという多産国家にはなりえず、子ども減税の方が効果がありそうです。

次回は 同テーマにてグローバリゼーション、他 分析してみます。