未曾有の領域に入った欧米および日本経済、また、低成長に入った中国。資産は投資ではなく、どう守るかが問われています。 ただし、日本円だけで通貨を保有するのもリスクがあり、人民元、ドルの保有も必要です。すでに金融システムが機能マヒを起こし、中央銀行のみがその資金供給先となった今日、金融資本主義は新しい仕組みがないかぎり停止してしまうのではないでしょうか。 また、中国、ベトナムについてもレポートいたします。

土曜日, 5月 09, 2009

米金融機関のストレステスト

 BOA,CITIなど大手金融機関のストレステストの結果が公表されました。公表前に情報がでていましたので驚くに値はしないのですが、解説が必用なのでコメントします。
 米会計基準は 資産をレベル1(市場で値段がつく株式、債券)、レベル2(市場で値段がつきにくい不動産債券など)、レベル3(市場で値段がつかないデリバティブ商品)の区分けで レベル2,レベル3は決算時に計上しなくてもよいと会計基準の緩和を行っています。つまり、以前の時価会計基準でななく原価会計基準により近い形と変更されています。
 すなわち 資本不足が従来の会計基準では資産査定はできないわけです、必用な資本増強 10社合計 746億ドルは すでに議会が承認している公的資金範囲内というシナリオになっています。
 一方 株式、債券などのレベル1で査定となると 国際決済業務を行っている 日本のメガバンク3行にとっては 死活問題となってきます。 現在の日経平均9200円前後でも 株式評価損を計上せざるをえないところがあるため 自己資本増強を急がざるえません。
 
 以上 新聞等では公表できない内容なので勉強されている読者の方のみ理解いただければ幸いです。