未曾有の領域に入った欧米および日本経済、また、低成長に入った中国。資産は投資ではなく、どう守るかが問われています。 ただし、日本円だけで通貨を保有するのもリスクがあり、人民元、ドルの保有も必要です。すでに金融システムが機能マヒを起こし、中央銀行のみがその資金供給先となった今日、金融資本主義は新しい仕組みがないかぎり停止してしまうのではないでしょうか。 また、中国、ベトナムについてもレポートいたします。

水曜日, 5月 28, 2008

中国不動産売買物語 その③

 ”突然 変更されてしまう協議書内容” といってもおわかりにならいと思いますので、中国での契約の考え方から書かせていただきます。
 日本でも口約束というものがありますが、金銭がからむと言った言わないのトラブルが発生するのが常であります。よって、覚書や念書などを両社で締結するのは一般的ですが、その内容を反故にすることは法律的観点でもありません。
 しかしながら、中国では協議書、覚書を締結してもその内容を口頭ベースで変更してくれと要求されることがあります、ここで押し返さないといけないのですが、押しに弱い日本人は変更をのんでしまうケースがあるようです。
 大陸育ちと島国育ちの差もあるようですが、中国ではあたりまえの世界であるようです。現地の日本人は よくあることと言われますが、対応の仕方しだいで強くでられたら強く返すというのがビジネスにおけるネゴシエーションの世界で、(アメリカ人はよく相手の弱点をとことんついてきますが、)中国人は大声を張り上げるというのがよく見られます。
 中国でも法律的には 締結された文書が証拠となりますので 必ず協議した内容を文書化することが重要です。 よく現地の日本企業が販売したお金がはいってこないといいますが、それは当たり前の話で、あらかじめ要求をしてないから入ってこないわけです。
 

月曜日, 5月 26, 2008

2009年以降 過剰流動性がバブルを発生させる!!

 このブログでも昨年9月以降のFRBによる急激な金利低下策および資金供給は 今後 ミニ・バブルを発生しかねないと書きましたが、「日経ビジネス5月26日号」の中で クレディ・リヨネ証券のクリストファー・ウッド氏が その危険性について言及しています。
 クリストファー氏は1992年の著書「バブル・エコノミー」がベストセラーになりましたが、今回 彼は2009年以降の次のバブルが発生するのは新興国であり、米国・日本・欧州は不振を極めるであろうと予測しています、その根拠は新興国は米国の景気後退の影響を受けるものの内需が旺盛なため経済成長するというものです。
 今後 ECB,FRBの金利政策がどう動くのかが重要ですが、クリストファー氏の読みは今年後半から先進国の金融緩和により2009年以降いっそうの過剰流動性が新興国に流れ込むという読みです。
 つまり、今年いっぱいは新興国の株式市場も低迷するようです。

金曜日, 5月 23, 2008

中国不動産売買物語 その②

 今回は 売却代金についてどうやって海外へ送金するかについて書いてみます。
 必用な書類がそろえば外貨に交換および送金は難しくありません。銀行によっては本人が窓口へ出向くようにといわれますが、銀行入出金の代理人の手続きを事前に行っておけば代理人でも外貨交換および送金は可能です。 ただし、送金限度額枠 1回USドル相当60,000ドルが設けられています。 
 個人による電信外貨送金による人民元交換も 60,000ドルまでと設けられています、現在は、電信外貨送金による人民元交換は3ケ月間内に60,000ドルと定められているようです。
 送金の際 注意すべきことは 必ず 電信扱いの為替交換をすべきことで、紙幣交換を行うと総額に対する手数料がかかってしまいます。ちなみに、その場合 HSBCの場合は1%の手数料がかかってしまいます。

 ちなみに HSBCのプレミアは日本で10000円以上の預金者対象にサービスが始まりましたが、中国のHSBCは50000元(日本円で750万円)でプレミアです。

水曜日, 5月 21, 2008

中国不動産売買物語 その①

 中国で不動産売買(2006年より個人での購入はできなくなっています)を行うにはかなり根気が必要です。 そもそも 中国には契約書があってもそれを遵守しようという考えはありません。そのため、決めたことが変わってしまうことが度々あります。
 今後総量規制による不動産の下落が予想されますが、筆者は 現在 保有不動産の売却を進めていますが、忍耐と根気をもって中国の代理人による手続きをすすめています。
 いざ、売却して代金を人民元で入手してから 円、ドルなどの外貨に交換するためには為替管理局発行の「the State Administration of Foreign Exchange 」(SAFE)が必用になります。この他、売買契約書、不動産のオーナーであったことを証明する書類、売買に伴う税支払い・税戻し証明書が必要となります。この書類がそろって初めて銀行の窓口で外貨への交換と海外送金が可能となります。
 そもそも 人民元、外貨の中国国内からの流出を規制していますので、厳しく管理されているわけです。 しかしながら、空港や香港への現金での持ち出しはチェックが厳しくないのが実情です。

火曜日, 5月 20, 2008

VN Index 449.24 投売りはいつまで続く?

 ベトナム国内投資家の投売りが続き 回復の見込みがない ベトナム株式市場ですが、国内投資家には全く見向きもされなくなったようです。もともと 付和雷同型のベトナム人気質ですから、皆が買えば買い、皆が売れば売りの様相が続いています。
 例えば、サコムバンクですが 26,900ドンでPER 8.9倍です。ただし、外国人購入枠30% まで保有されているため外国人は買えません。 また、CII ホーチミン市インフラ投資社は 24100ドンでPER 8.77倍です。こちらは 外国人まだまだ買えます。
 2-3年は寝かせておくこと覚悟であれば購入することもいいのですが、今は 預金金利 1ケ月ものでも 年15%の利息がつきますので 株<預金 といったところでしょうか。

ベトナム株 買い場は近い VN Indexの底 それは今年中に訪れそうです。 

月曜日, 5月 19, 2008

インフレと通貨価値

 資源高および米・小麦・大豆などの食料資源高から インフレが懸念から本格的に襲ってきそうな様相になってきています。 今週 ベトナム 通貨当局は 預金利息の限度を12%から18%へ引き上げる発表を行いました。 これは インフレ率が上昇していることに伴った措置ですが、インフレは一般的に通貨価値が下がることを意味し、円高・ドン安というのが流れとなります。 ベトナムは ドルペッグ制をとっているため、対ドルでは管理相場でドン安は限定的なものとなりますが、資源・農産物および今後工業品を輸出増大していくと予想されます。 輸出により獲得外貨が増大すれば、これがインフレを加速させることになりますが、世界経済の低迷により 当面高くても10%台のインフレに収まるのではないかとみています。
 結論としては ベトナムにドン預金をおいておいても 資源国としてのベトナムであれば極端なドン安に見舞われることもないだろうということです。

日曜日, 5月 11, 2008

人民元の価値を実感

 今週 香港、広州、マニラより帰国しましたので 今回 人民元の価値について実感をお伝えいたします。
 香港-広州東駅を 列車で移動する際ですが、香港ドル190ドルですが、人民元だと 171元の支払いとなります。一昨年までですと 香港ドル:人民元=1:1の交換比率だったので、現在 1:0.9の比率で人民元が10%価値が高くなったことがわかります。
 恐るべき人民元といいたいところですが ドルにペッグしている香港ドルですのでUSドル安につれて切り下がっていることになります。
 香港市民は人民元預金もできますので、せっせと香港ドルを人民元に交換しているのですが、外国人は中国国内の人民元口座に預金するしかありません。
 資源・商品高騰に伴う世界的なインフレ懸念の中、強い通貨で保有するのが常道といえるでしょう。