未曾有の領域に入った欧米および日本経済、また、低成長に入った中国。資産は投資ではなく、どう守るかが問われています。 ただし、日本円だけで通貨を保有するのもリスクがあり、人民元、ドルの保有も必要です。すでに金融システムが機能マヒを起こし、中央銀行のみがその資金供給先となった今日、金融資本主義は新しい仕組みがないかぎり停止してしまうのではないでしょうか。 また、中国、ベトナムについてもレポートいたします。

金曜日, 12月 31, 2010

アメリカ景気回復の幻影

 QE2による超緩和政策(FRBによるドル札輪転機)が株高を支えているといわれている8月以降のアメリカ経済ですが、株式投信、株、401Kなどに投資しているアメリカ市民は12月は消費に走ったようです。 バーナンキの思い切ったマネーの供給は表面上 成功しているように見えます。しかしながら、危機の種はまかれてしまったというのが本当のところでしょう。 いつかは風船は弾けますので、そのときに当局が対応できるのかどうかにかかっています。
 ヘッジファンドと化しているFRBはそのときが来るのをわかっているのかもしれません。

木曜日, 12月 30, 2010

年明けのユーロ圏経済

 今年はギリシア、アイルランドのECB,IMFによる融資で落ち着かせたユーロ圏経済でした。スペイン、ベルギーと次から次へ危機が襲ってくるのが2011年ですが、ドイツ、フランスへ南欧、アイルランド、ベネルクスの危機がおよんでしまうのがユーロ圏経済です。
 フランスの格付の見直しはすでにマーケットで噂されていますが、2011年中に見直しはありそうです。スペインの国債償還がありますので、ECBはここを乗り切らないといけません。フランクフルトに本部を置くECBですが、EUの本部はルクセンブルクで経済と政治はまとまっているわけではありません。

スイスフラン強し

 ロンドン市場でスイスフランは対ユーロで1.24017の史上高値、ユーロ最安値をつけました。 1.2ターゲットで動いているようですが、ユーロ円は107円70銭近辺で 本日 ロンドン市場でスイスフラン独歩高の様相です。

水曜日, 12月 29, 2010

ドル円はどう動く

 12/28 81.819円と一時81円台にはいったドル円は、現在は82円台に戻っています。83円10銭を越える円安がなければ83円でショートをいれてもよいでしょう。年末で薄商いなので様子見でもいいかもしれません。

月曜日, 12月 27, 2010

中国人民銀行の利上げの影響は

 0.25%の利上げを発表した中国人民銀行ですが、株式市場 欧州マーケット DAX,CACは弱含みです。 これから開くN.Y.も弱い展開となりそうです。
 為替は緩やかにドル高円高に動き82円台を保っています。 ユーロはロンドン市場でドルで1.31702、スイスフランで1.26991と ともに対して高くなりN.Y.市場では予定通り戻しています。
 市場は中国の利上げは予定として読み込んでいたようで、年明けからマーケットは動きそうです。

金曜日, 12月 24, 2010

ユーロスイスフランの戻りはテクニカル上の動きです

 12/23 1.2438の最安値をつけたユーロスイスフランですが、12/24 1/264  1.2659と戻り高値をつけながら1.27を目指しています。 3時間足で ショート 1.268と日足であれば1.285近辺にもいれるの妥当ですが、来週から年明けで1.2438を割れて1.20までの可能性がありそうです。
 ただし、1.2885を抜けるようだと反転してユーロ高のトレンドとなりそうです。

木曜日, 12月 23, 2010

横断歩道お国柄

 先進国の超金融緩和策であふれるマネーが新興国へ流れることでインフレ懸念に悩む新興国金融当局ですが、社会インフラは未整備です。
 例えば、中国でも所得が高い広州では 人は車の合間をすいすいと危険を顧みず横断します。去年、広州の花園ホテル近くに信号機付き横断歩道がお目見えしました。二人の警察官が人々が信号無視をしないように立っています。市民が横断歩道用信号が赤でも無視して横断するためですが、車が来ていなければ渡ればいいではないかという個人の合理的判断がベースです。
 一方、めったに信号がないベトナム ホーチミン市ですが、横断歩道(ほとんどありません)ほまたは車道を人々はゆっくり渡るのが基本です。 バイクは渡る人の速度を遠くから見てスピードをコントロールしてくれています。急いで渡ったりすると、バイクのドライバーからするとかえって危険のようです。
 また、カンボジアのプノンペンですが、インフラは整備されていて信号、横断歩道ともありますが、一歩離れた農村に行くと電気も通っていなく、牛にさえぶつからなかれば安全きわまりないといったところです。

ユーロスイスフラン非公式な情報ですが

 昨日 ユーロスイスフラン パリティについて書きましたが、ダウジョンズによりますとSNBは 1ユーロ 0.5スイスフランを予測しているというニュースがはいってきました。
 一時的に1.25を割れで最安値をつけたユーロですが、現在 1.25前後です。 ソブリンリスクの拡大で来年 1ユーロ=1スイスフランを割れる場合を想定していた方がよさそうです。

水曜日, 12月 22, 2010

貿易収支とドル円の関係 と 来年の見通し

 前月の我が国の貿易収支が発表になりましたが、輸出額から輸入額の差である貿易収支は+1,628億円でした。 米国向け輸出は 全体の約16%で2007年通年で22%ありましたので、相対的にその比率は減少、EU向けも16%から12%へ減少しています。(通年と単月度の比較は正確ではありませんが傾向はわかります) 一方、 中国を含むアジアは53%から59%へ増加しています。

 国内生産の輸出企業は ドル、ユーロ、人民元での円高は採算に影響するため今後の円高が経営にインパクトを与えかねませんが、東芝、三菱電機、コマツ、日本電産などのグローバル企業はすでにその対策をとっています。しかしながら、円安時代の2007年までに投資をし生産設備を国内に保有し国内生産にこだわる一部大企業や下請け中心の中小零細企業は動けないの実情です。
 先月行われた企業経営者へ聞いた2011年の見通しでも 適正なドル円レートは 95円という希望的観測がほとんどでした、中には100円と答える経営者もいたのですが、元財務官でいらっしゃる榊原氏のみ70円台と答えていました。 榊原氏は2008年に来年(2009年)はドル円70円と予想していたのですが、90円台の円安に動いた際に撤回されました。榊原氏の今回の予想はそうなりそうです。
 筆者は2009年1月期に貿易収支がマイナスに落ち込みを見て、春頃には円安へとその頃のブログで指摘していますが、半年後には100円まで円安になっています。(参照2008年2月「拡大する貿易赤字」、また、プロのディーラーへ2008年12月には2009年は70円台はないと話していたら、何故だと激論になってしまった記憶があります)

現在、基本的に日米の金利差動向を中心に動くドル円ですが、6ケ月レンジでみていくと経常収支が黒字の場合は半年後その国の通貨は強くなります。FRBのQE3がニュースになる頃にはさらなるドル安円高が続き、ユーロとドルは円に対して安くなるのが来年のシナリオのようです。

火曜日, 12月 21, 2010

ユーロスイスフランの行方

 ユーロスイスフランは 本日 時間足で2.710にレジスタンスですが、まだまだ下値を探りそうな展開です。
本日12/21の安値 1.26157を割るのも時間の問題かもしれません。
 ヨーロッパの一般の人々はウイーン金貨を買いますが、昨今 超富裕層はダイヤモンド、美術品を購入しているとのことです。
 ユーロスイスフランがパリティまでいくと予想する専門家はいませんが、ひょっとするとひょっとします。ユーロ圏各国の国債保有額と欧州銀行の債務がどこにいってしまったかを知っている人はユーロは持ちません。
 今後はグローバルソブリンではなく、スイスフラン外債はいいかもしれません。

中国が外貨不足?

 HSBCは日本では準富裕層を対象に1000万円以上の預金者を顧客としていますが、キャンペーン期間中は500万円以上を対象にプレミア・アカウントの開設ができます。 香港では100万香港ドル(約1200万円)、中国では50万人民元(約650万円)以上の預金者が対象ですので、日本ではハードルが低くなっています。
 口座を持てば日本にいながら人民元預金もできますが、その利息は本国と違い低くなっています。実際のところ、中国が外貨不足のようで中国本土でも内外の預金者へ対して積極的な外貨預金のキャンペーンを行っています。

 このところ手持ちのUSドルをユーロへシフトさせている中国ですが、スイスフランと日本円の方が安全と思われます。

ユーロは崩れています

スイスフランの下落とともに、ユーロドル 1.31250 をブレーク さらに1.3100も割れて一時1.30947まで下落してきました。ユーロ円は109円台となっています。
 ただし、ドル、円ともに スイスフランに対する下落ほどではありません。トレンドができていますので、スイスフランについて先週からのコメントしていますが、ユーロはスイスフランの動きとともにwatchしていくのがよいでしょう。

月曜日, 12月 20, 2010

1.27割れのユーロ 対スイスフラン

 12/20 日本時間 9時過ぎに対スイスフランで1.27を割れたユーロは、1.26936の安値をつけています。
欧州においてユーロ圏のソブリン・リスクでは、スイスフランがその受け皿になっています。先週 お伝えしましたように、ベルギー、スペインの格付けの見直しが予定されているため先回りしてユーロが売られています。
 一方、ユーロドルは 1.318台で押えられていますが1.32台までユーロ高の可能性があります。11/30に108.349をつけたユーロ円ですが、現在 110円台で落ち着いているところです。

金曜日, 12月 17, 2010

ユーロ対スイスフラン安値

日本時間 16:10頃ロンドンで 1.720をつけたユーロスイスフランですが、N.Y取引時間にはいりブレークしそうな様相です。 避難通貨としてのスイスフランですが、日足 テクニカル的には売られすぎの様相です。
 ただし、来週以降のスペイン, ベルギーの格付け発表を見越してさらに売り込まれる可能性があります。

ムーディーズによるアイルランドの格下げ

ムーディーズ・インベスターズからの評価がAa2からBaa1へ引き下げられたアイルランド国債。 先般、ECBおよびIMFの救済パッケージを受けることになりましたが、銀行救済を行っている政府のバランスシートが毀損しているとうことで5段階下落となりました。 まだ、投機的水準にありますが、あと3段階でジャンク債水準にはいります。

マーケットはギリシア、アイルランド危機は読込み済みで、次のターゲットを探しにいく段階ですが来週はクリスマス休暇にはいります。
 ただし、来週以降、ベルギー、スペインの格下げが控えております。

木曜日, 12月 16, 2010

所得の再配分は経済に効果はあるか?

 このほど政府税調がだした高所得者の控除限度額設定をして、その一部を法人税減税の減収の財源にしようという案は経済成長への効果には疑問符がつきます。 一般に個人消費部分は、高所得者が消費を牽引しなければ経済成長は伴わず、消費が冷え込む政策につながります。

 中間層が少なくなりその層が消費を牽引することがなくなってしまった今日では戦略的な対応が望まれます。オバマ政権がブッシュ時代の高所得層の減税を延長したのは、その原理をブレインが理解しているためですが、増税で経済成長を唱える某大学の教授がブレインの日本では経済の行く先があやぶれます。なお、グローバル企業は国籍にこだわらず有利な地域でビジネスを行うもので、日本でも三菱電機や日本電産はその対応を終えています。

ユーロの不安

 1.34982から1.32075へ急落したユーロですが、ボラタリーが大きく、このところストップロスも大きくいれておかないともっていかれますのでご注意です。

 あまり報道されない欧州情勢ですが、フランスの高校生の年金改革反対デモ、イギリスの大学学費値上げ反対デモ、イタリアでは昨日からベルルスコーニ首相に反対デモが暴徒化しています。
 2008年12月ギリシアから始まったデモがその質が違えど、欧州に広がっています。 若年層の失業率が高く、社会不安が増加しているのですが沈静化する様子はないようです。

 上記の社会不安は、過去の銀行救済がソブリンリスクへ転化し生活圏を脅かされる人々が抗議しているわけですが、欧州圏の国債を保有するドイツの銀行を救済するためにドイツが通貨ユーロにどう対応するかをマーケットが見きわめる時がきそうです。

 ユーロは今後さらに上下動が烈しくなる要素がかくれています。 

水曜日, 12月 15, 2010

スイスフラン要注意

ユーロはスイスフランに対して N.Y.マーケットで1.28665の安値をつけて下落中です。 昨年 8月 高値1.53641ですが、今年8月の1.39249から同月 1.27661の安値をつけましたがそれをブレークしていきそうです。つまり、ユーロ圏ソブリン危機はこれから再燃します。

 本日 ベルギーの国債格下げがありますが、ドルユーロも米国長期金利上昇とともにユーロ 1.33台へ下落しています。

火曜日, 12月 14, 2010

アンドロイド 対 iPhone

iPhoneは世界的なヒットでアプリケーションも豊富ですが、Googleはアンドロイドで挑戦 キャリアが新製品をそろえてきました。元々 ビジネスの世界ではブラックベリーが標準でしたが、コンシューマーにおいてはユーザー・フレンドリーなアプリケーションしだいということになります。
 日本でFXの世界では 圧倒的にiPhone対応で品揃えされていますが、今後はそうもいかないようです。 アンドロイドはソースが公開されているため開発者は自由にアプリケーションを開発でき さまざまなデバイスで利用できる利点があります、一方、iPhoneは iPhoneでしかアプリケーションが使えないという閉鎖性のゆえ IT世界の原則ではアンドロイドが広がっていくと考えられます。
 すでに 海外の大手FX業者はアンドロイド2.2対応も今秋 終えており、FX業界もスマートフォンを制するものがFX業界を制することになりそうです。

ユーロドルの動き

 12/13のN.Yマーケット 1.3300-1.3330をブレークして一気に 1.34337までユーロが買われました。 1.3000がグローバル・マクロのショート水準ですが、中国を中心にドルからユーロへのシフトで ストップロスを巻き込みながら切り上げていき、翌12/14 1.34982までのユーロ高が演出されました。
 昨夜は南欧、アイルランドなどの金利上昇でソブリン・リスクが高まっていましたが、おかまいなしでドル売りが続きました。 日本時間9時台には、ユーロ買いも落ち着いたようです。ソブリンリスクを考えたらユーロ買いは危険なのですが、ドルを手放そうという諸国がトレンドと関係なくドル売りをしかけてきますので、いわゆる介入のような形になってしまいます。
 ドルショートは禁物であることはいうまでもありませんが、1.35150を越えるようであればいったんドルショートです。

土曜日, 12月 11, 2010

長期金利の上昇は続くか

 米国10年もの国債 3.2018%でクローズしましましたが、上昇傾向にあります。債券売りが続いているわけですが、週初めの12/6は2%台だったわけですから急上昇です。
 オバマによるブッシュ減税の延長がその要因のようにいわれていますが、実際はFRBのQE2による量的緩和バブルへの警戒感によるものかもしれませんし、インフレ懸念とみるのは時期尚早かと思われます。
 その結果、12/10 ドル円 終値は83.951円ですが、12/1につけた84.414を越えるドル高になっていくものと考えられます。では、ドル高はどこまでいくかですが、85.85円がレジスタンスとなります。

 12/10 1.32265で終わったユーロドルですが、12/9につけた1.31648はいずれブレークして1.30600を目指すもようですが、もう一度 1.3300へのユーロ高も考えられます。そのときはショートをいれたらよいでしょう。

 いずれにしても米国の長期金利の上昇が急激なためチャンスであり、ドル・ショートは要注意でもあります。

金曜日, 12月 03, 2010

せとぎわの欧州金融危機

 トリシエ総裁の会見で揺れ動いた昨日のNY為替市場でしたが、金利据え置き、国債買い入れで 長期的にユーロ安が確認されました。 短期的にはドル安ユーロ高に動いていますが、これはテクニカル上のことで
今後 ギリシャ、ポルトガルの国債 格下げアナウンスで一段のユーロ安が進むことでしょう。

「せとぎわの欧州金融危機」ですが、インフレ阻止で物価安定が最大の目標であるECBが、国債買入れを行うことは将来の長期金利高騰と物価高を自ら招く政策であるためトリシエ氏も任期では引退したいのが本音でしょう。

 一方、日銀では須田委員がETF買入れなどの金融緩和策に苦虫を覚えていることでしょう。

いずれにしても、未体験ゾーンにはいっている日米欧州の超流動性緩和によるマーケートは弾けたときは、当局がコントロール不可能な状態になるではと危惧しております。