未曾有の領域に入った欧米および日本経済、また、低成長に入った中国。資産は投資ではなく、どう守るかが問われています。 ただし、日本円だけで通貨を保有するのもリスクがあり、人民元、ドルの保有も必要です。すでに金融システムが機能マヒを起こし、中央銀行のみがその資金供給先となった今日、金融資本主義は新しい仕組みがないかぎり停止してしまうのではないでしょうか。 また、中国、ベトナムについてもレポートいたします。

月曜日, 3月 30, 2009

つかのまの春

 だんだん暖かくなってくるように株式市場など市況も上向いています。
世界的な財投が投入されるお金の効果として、マーケットへ期待がはいっているわけです。一般にはベア・マーケットの中の戻しと見られているわけで素人が手をだす相場ではないようです。
 現在 石油をはじめとした商品相場が底をうったのかどうかが見極めで重要なところです。マーケットは商品→株式→不動産 と循環していくため 商品価格が上昇するのか、下落するのか、あるいは、ボックス圏にあるのかが 向こう2-3ケ月間見るべきところです。 特に、石油と金をみておくべきでしょう。石油は50ドル台から上がるのか、下がるのか、金は900ドル台から1000ドル超えるのか、900ドル台を維持するのかです。
 日本の株式市場が5月の決算発表でどう反応するのかも重要です。なぜなら実態とかけ離れたレンジにあるからです、ただし、ここまで買い支えた株価を維持させるのかどうかは日本国の将来をかけたものとなります。
 先日 静岡県の寺院に寄ってみましたが、観光バスによる中国人団体客がひっきりなしに参拝に来られており恐るべし"中国人観光客"の実態に遭遇しました。ちなみに、いっしょに線香を仏様にあげました。

土曜日, 3月 28, 2009

原油価格は上昇局面?

 昨年12月32ドル40セントまで下落した原油価格ですが、3月にはいり42ドル08セントを底に54ドル34セントまで上昇しています。
 航空会社は燃料サーチャーシの値下げを4/1発券分から下げますが、このまま上昇しますと 7/1から値上げの見通しとなります。また、ガソリン価格もこのところ安値(108-110円)より10円ほど上がっております。
3月初旬のFRBによる国債買取り表明、財投によるドル安、インフレ懸念などにより商品へ資金が逃避しているわけですが、景気が上向けばこのまま商品価格も上昇しそうです。
 現在のターゲットは69ドル60セント付近にあり、そこまで上昇しなければ再下落 40ドル-60ドル台で推移しそうです。ただし、そこを抜けるようですと次のターゲット 92ドル70セントが見えてきます。

AIGの保険部門

 昨今 公に問題になっています AIGの金融デリバティブ部門の実態およびボーナスですが、AIGの保険部門はだいじょうぶかという疑念もでてきています。(News Week 4月1日号)
 保険部門は優良であるというのが内外ともにその評価ですが、子会社同士で再保険(法人向け)をかけあっている債権・債務の整合性がないとの指摘がされています。会社側はそのような実態はないと回答していますが、ほぼ国有化されている実態なので調査が入る可能性があります。

月曜日, 3月 23, 2009

マイナス金利

 日本経済研究所は、「マイナス金利の実施」を提言しています。マイナス金利とは、現在0.25%の政策金利をマイナスに転換し、預金に対しては 利息を払うというものです。具体的な施策も提言されております。具体的には、新札発行により旧札との交換時に利息を支払う、つまり マイナス1%であれば100万円持参して99万円と交換するというものです。
 実施効果としては、1) 激減する税収に対して増収効果がある。 2) 預金よりも消費の方がお徳感があるため景気刺激策となる。 と提言されています。

 このような政策を実施されますと、生活者としては将来不安となり資産の海外逃避が生じたり、海外脱出者も生じるものと予想されます。 しかしながら、このような施策が検討されていることを知っておく必要があります。

水曜日, 3月 18, 2009

The World is Curved 日本語版発刊へ

 アメリカではベスト・セラーとなったDavid Smick氏のThe World is Curved は徳間書店 より5月発刊予定で準備が進められています。 本人へ日本語版の発刊予定について問合せをいれていましたが、日本語版の発刊情報は 本人からではありません。
 5月発刊なので 現在の株高がピークを過ぎた後になるのではと思いますが、筆者も日本の危機感のなさは "日本の強みではないか"と思えるようになってきました。しかしながら、The World is Curvedを読んでしまうと楽観論が吹き飛んでしまうでしょう。
 日本語版の発刊が待ち遠しい今日この頃です。

月曜日, 3月 16, 2009

ウォーレン・バフェット氏の発言

 バークシャを率いるウォーレン・バフェット氏ですが、このところデリバティブ商品も投資対象としており 強気の発言をなさっています。 ウォーレン・バフェット氏はコカコーラをはじめ固い会社への長期投資で知られていますが、昨年GEへ投資したりして必ずしもうまくいていないようです。
 先週末の発言では、自分で分かるものは投資していくということでデリバティブ商品への投資を強めていくそうです。 CDSについて、ジョージ・ソロス氏は ”金融の時限爆弾" 、ジム・ロジャース氏も”金融の大量破壊兵器"と発言、その表現からして危険きわまりない商品だと思うのですが、筆者は”金融の核爆弾”と呼ばさせていただいています。
 ちなみに、CDSそのものは債権の破綻リスクを防止する通常の金融商品であるわけですが、AIGやヘッジファンドが組成し、金融機関などへ販売、相対取引なのですが、ネズミ溝ばりに拡販されてしまって誰がどこへどのくらい売ったかもわからなくなってしまったことに問題が隠されています。

金曜日, 3月 13, 2009

総力戦になってきた株価対策

 3月末の決算期を控え 終値 7000円割れを何としても防ぎたい当局でありますので、何でもありの世界になってきております。 日銀によるCP買取り、社債引受け、金融機関保有の株買取り など に続き、法人向け融資 破綻時の債務保証案がでてきております。 これには ゆうちょ銀行の保有国債を担保に特定機関へ融資するようですが、いろいろリスクが含まれています。
 1) 企業が破綻した場合は、その債務不履行をどこが負担するかを明確にしてお必用がある。
 2) ゆうちょ銀行は 自己資本率 92%の超優良銀行であるが、今回の金融危機にさらされてしまい      預金対象銀行からはずれてしまう。

過度の延命策は、ソビエト社会主義連邦および旧東欧諸国の消滅と歴史が語るように、制度の硬直化をもたらし最終的には国家の破綻につながってしまいます。最終的には No1企業には公的資金投入、それ以外は一部投入にとどまるようにすべきではないでしょうか。

 株価 PER 70-80倍で 現在の7000円台の維持は 異常といわざるえません。

月曜日, 3月 09, 2009

ドル安を追認した榊原氏

 円高50-60円を主張していた 元財務省 榊原氏ですが、「ドルの機軸通貨としての機能し、今後10-20年 ドル暴落はないだろうと」とコメントされました。 ただし、2009年 70-100円のレンジで乱高下するだろうとおっしゃているところをみると、まだドル高円安基調 100円を超えることには疑念を抱かれているようです。 
 本日発表となった 1月の経常収支 1728億円の赤字は、貿易収支赤字(8,444億円)に対して、所得収支(9,924億円)のマイナス31%となり、1996年以降の経常収支赤字です。
 所得収支の推移は、今後の日本経済を見通すにあたり重要な指標となります。
 また、現在 日本は1兆ドルにのぼる外貨を保有していますが、この貯金が減少していきますので、80円台のドル安円高はあるかもしれませんが、50-60円の円高の見通しはとれないというのが筆者の見方です。
 筆者の円高は82円までとの発言には、関係者からの様々な批判を浴びましたが、榊原氏が方向転換してくれたことは援軍となりそうです。
 なお、筆者はドル円90円でドル資産を保有しております。おそらく ドルの機軸通貨としての役割が終わるのは30年後くらいになるのではというのが筆者の従来からの主張であり、ドルに変わる代替通貨がないかぎりドルの決済通貨としての役割は続くものと考えられます。

火曜日, 3月 03, 2009

ジム・ロジャース AIGについて語る

 巨額(天文学的)損失を計上し続ける AIGについて、ジム・ロジャースはCNBCのインタビューに 倒産するだろうと答えています。 今後ともAIGが将来的に政府から支援を受けるのは難しいだろうというということですが、アメリカが破綻するわけにはいかないわけですからいつかは破綻させるだろうという投資家からの視点で語っています。
 これに対して 誰も反対意見はないものと思われますが、破綻した場合CDSなどの損失確定をすれば、他の金融機関、企業も連鎖破綻のリスクがあるので 救済し続けるわけです。
 この答えはいずれ歴史が語るでしょう。

AIGに4度目の政府支援

AIGは 主にデリバティブ商品(CDS,CIOなど)の損失が拡大していくのみで、第4回目の税金投入となり破綻はないが損失は限りなく膨らむという様相となっています。 誤算は 保険事業の民間への売却が進まなかったことですが、日本で主に事業展開するアリコはアメリカ国家管理事業となる予定で、国が破綻しない限りは保証されそうです。
 第4四半期 617億ドル(約6兆円弱)にのぼる損失もさることながら、
システミック・リスク(天文学的危機)で、アメリカの財政赤字がGDPの何%まで持つのかが話題になってきますが、実はヨーロッパの方がGDPに占める財政赤字はすでに大きくなっています。
 日銀もCP買い入れ、社債買い入れと 欧米に続いて民間救済を始めていますが、日銀の委員の中で須田女史のみ毅然と反対の姿勢を貫いています。 悪性インフレは怖いので須田さんの意見は非常に重要であったと、後世名が残るかもしれません。

日曜日, 3月 01, 2009

GDP速報値以降のドル円の動き

 日本の10-12月期GDP マイナス12.7%は、特に海外から日本の景気落ち込みが一番大きいのではないかという見方に変わり、ドル円は95円を超えてドル高円安へトレンドが変わりました。また、2/27のアメリカ 10-12月期GDPの修正値マイナス6.2%と大幅修正となり、先進国同士のマイナス合戦の様相をていしてきました。
 N.Y.ダウは7062.93ドルをつけ中期的に5000ドル台へ向けて落ちていっているわけですが、為替は ドル高ユーロ安、ドル高円安となれば、ドル>円>ユーロの流れになるかもしれません。
 ここで現物の強みをていしてきた金の動きですが、一般に金とドルの関係は金が買われるときはドル安という流れが、今年は金上昇、ドル高と明らかに過去のデータが通用しないトレンドになっています。
これは、ドルも含めてですが通貨の衰退の表れが生じているわけです。 通過の中では 世界の決済43%を占めるドルは、世界の通過の中ではまだましであるというものですが、問題は アメリカの長期金利が3.0%を超えてきている水準にあるということです。国債の引き受けてがなかれば長期金利が上昇し、短期金利との乖離が大きくなると ドルを売る ということも生じるわけです。
 しかしながら、ドルを売って どこの通貨を持つかと考えた場合 今までは円だったわけですが、1-3月期のGDPも二桁マイナスが見込まれる中 当面 拮抗することも予想されます。
 ひとつの解決策として、人民元も保有しておくとうことがあります。通貨も3通貨で保有するというのは鉄則ではないでしょうか。