未曾有の領域に入った欧米および日本経済、また、低成長に入った中国。資産は投資ではなく、どう守るかが問われています。 ただし、日本円だけで通貨を保有するのもリスクがあり、人民元、ドルの保有も必要です。すでに金融システムが機能マヒを起こし、中央銀行のみがその資金供給先となった今日、金融資本主義は新しい仕組みがないかぎり停止してしまうのではないでしょうか。 また、中国、ベトナムについてもレポートいたします。

水曜日, 4月 30, 2008

米国 1Q GDP 0.6%の成長

 先ほど 発表された 米国 GDPは大方の予想0.5%とほぼ同等の昨年同期比0.6%の成長でした。一説にはマイナス成長にはいっているのではという読みもありましたので、かろうじてマイナスには落ちいらなかったという方が正しいのかもしれません。
 さて、FRBの政策金利 を 今後 当面 据え置いた場合、インフレ懸念と景気後退のはざまで底割れする可能性もあります。 パーナンキン議長としては 金利低下打ち止め感はださずに余韻を残して、舵取りをしたいところではないかと読んでいます。
 現在がマイナス成長でも 半年先を見込んで株価が上昇する局面もありますので、本日4/30と明日5/1のマーケットは注目です。

火曜日, 4月 29, 2008

つかのまの市況回復?

 アメリカの強いドル宣言やインフレ懸念によるFRBの政策金利の4月での打ち止め観測 など 市況は 多少のドル高円安、東京株式市場も戻り高値をためしています。
 原油、石炭などの資源高、小麦、米などの商品高 と インフレ懸念はほんものとなりつつあるようです。 しかしながら、日本でも証券会社で損失を発表したように 、本家 欧米の金融不安が解消したわけではありません。 今後の懸念は、クレジット市場の信用不安、商業施設不動産の下落による損失があります。 FRBは全ての持ち手を発揮して金融機関の流動性を確保・保全していますので、巨額の損失に対しても投資家の心理に危機感がやわらいでいるといったところでしょうか。
 本日4/29 FRBは政策決定を行う予定です。

木曜日, 4月 24, 2008

通貨面より中国経済を見通す

 ドル人民元は 今月 1元=6.9ドル台となり いっそうの元高が進みそうです。一方、円人民元は14.5円台で推移し 15円台であった昨年と比較すると元安となっています。
 中国経済は昨年より極度のインフレに見舞われ、当局の引き締め政策はインフレ抑制に効いていない様子です。 当局はインフレ退治のためには 上海株式市場の下落、不動産市況の悪化はやむ得ず 通貨政策で乗り切ろうと 1)外貨の海外での運用 2)対ドル元高政策 と次々と策をとっています。 しかしながら、地方の幹部など私利私欲で動くだけに 現金を保有する一部の資産家 と 一般庶民の格差が生じているのが現状です。
 ちなみに 実需の不動産でも現金で支払いを行うのが一般的です。 通常 インフレ時は 株式・不動産・商品で保有する方が有利なのですが、中国経済は資本主義社会ではないため 下記の要因などで海外からの資金が流出していくでしょう。

1) 株式会社は国有であるため株式が充分に流動化しておらずその需給関係で上下動が激しく下落要因が消えない。
2) 不動産は 土地は国有で借用するものであり 上物についての売買を行っており投機物件として上昇していた。
3) 最後に 企業、金融機関による投資事業が盛んであったため 資金の逆流が生じると含み損が発生し負のスパイラルが生じる。

ちなみに、広州の実需の住居用住宅は下がっておらず、まだまだ、買い手が多いのが特徴で、住居用中級クラス住宅は不足しているようです。

水曜日, 4月 23, 2008

低利の日本をどう活用するか

 最近の新聞広告で 退職金を預金するとプレミアム金利をつけますという広告を目にします。 3ケ月もので2.0%だったりするわけですが、世界の預金金利を見渡すと 日本が低金利かがわかります。
 ベトナムではインフレ率が高く、11%前後の預金金利がつきます。 オーストラリア・ドルで7.25%、ニュージーランド・ドルで8.25% です。 日本で退職金をどう運用するかは退職者の方々の悩みでありますが、銀行などの金融機関にしてみれば獲得競争となります。
 中でも注目は HSBCプレミアです。1000万円以上の預金でさまざまな特典を受けられます。また、世界中のHSBCで同等のサービスを受けられるのも特徴です。日本での預金金利は3ケ月、6ケ月、1年でも1.42% ですが、中でも 不動産投資ローンは預金連動型で預金分には利息が発生しないサービスを提供予定です。
 一方、中央三井信託銀行では不動産担保ローン1000万円まで融資 キャンペーン1.9%の利息で融資中です。 この有利な点は事業資金以外 使途は自由なため、日本円で借りて 海外で有利な金融商品へ投資を行うこともできます。

火曜日, 4月 22, 2008

ベトナムは農業・資源国

 ベトナムは米、コーヒーなどを生産する有数の農業国であるとともに石油を算出する資源国でもあります。最近 米の輸出価格を値上げし、その輸入国であるフィリピンでは 庶民の手が届かない価格になってきているそうです。 また、国民が教育熱心であることも有名で、国の政策としてもIT産業に力をいれています。 
 HSBCのレポートによるとベトナム株式市場は本年度低迷すると見ています。現在 530ポイント前後を推移していますが、年末でも600ポイント前後とみているようです。 ただし 個別銘柄をみていくと魅力的な銘柄もあり 夏までに拾っていくことも検討中です。

 HSBCは早くからサブプライム問題を指摘し、自ら対象の証券を売却していた数少ない投資銀行でもありますので そのレポートを無視するわかにもいかず株式市場に関しては冷静に対処が必要かなと思っております。

月曜日, 4月 21, 2008

相場の過熱感

 ドル円 先週 4/18 104円65銭まで下げましたが 4/21 日本時間22:30現在 N.Y.マーケットでは103円38銭前後で動いています。 相場の過熱感をみる際 RSIという指標をみると加熱しているのかしていないのかの目安がわかります。 現在 RSIは 60前後と 過熱気味なので 今後 ドル安円高へ動いていくのではと読みとれます。

土曜日, 4月 19, 2008

ベトナム不動産ファンド

現在 4/末までのベトナム不動産開発ファンドが上限200億円で募集されています。 商業施設、ホテル、コンドミニアムの開発型の不動産ファンドで おそらく日本で2番目ではないかと思います。
 筆者は 現地に赴くのを基本としていますので、材料費の値上げに加え総量規制が始まったベトナムでは値下がりはあっても値上がりはないと見ています。 ただし、供給不足により 賃貸価格は高止まりしているので 下がったところを70年リース権を保有し、賃貸するのはいいかと分析しています。
 では、いつが底かというのが課題でありますが、誰もわかりません。 ただし、傾向は読み取れるもので金利動向が重要になってきます、現在のベトナム経済はインフレぎみで 銀行利息も11%と高金利政策です。
 日本のREITにも打診買いにより今のところ3月を底に少し上昇しています。ゴルドマン・サックスが動きだしたら要注意かもしれません。

木曜日, 4月 17, 2008

過剰流動性が我々の食生活をおびかす

 世界的な金余りは さらに 当局により金融緩和と通貨供給量の増加により 不動産・株式から資源・債券へと流れ込み、さらに商品市場へと加速しそうです。
 すでに小麦粉の輸入価格上昇により この春 麺類・パンなど値上げとなりますが、どうも需要増というよりも商品先物市場に流れ込む投機資金にその原因がありそうです。
 また、東南アジアでは米輸入価格の上昇により フィリピンでは食料不足の懸念さえでてきています。

 一方 金融引き締め策をとっている 中国、ベトナムなどは インフレによる物価上昇が続いています。ベトナムは銀行の預金利息も11%前後で高めですが、中国の場合はお金が流れ込んでこないよう銀行利息は抑えぎみで預金準備率の引き上げによる市場から現金を吸い上げる対応を行っています。 広州で庶民がいくレストランで 飲茶で一人分24元くらい(日本円で350円)ですから、物価上昇しているのかしていないのか外国人の我々にはよくわかりません。 広州の空港から市内までのバス料金は、17元(250円)で 日本の航空会社の方に話しましたところすごく驚かれていました。 タクシーで
130元(1890円)くらいですのでバスは割安ですね、先日 外国人の方が小銭がなくて バスで20元払わされていました。
 物価上昇要注意で資源インフレのみならず商品価格インフレがせまってきています。

水曜日, 4月 16, 2008

ベトナム不動産の現況

 先日 米国大手不動産コンサルタント会社のハノイ駐在のコンサルタントと話をする機会がありました。 ベトナム不動産は2007年までの高騰の後、当局の金融引き締め策の現在 下落調整中ですが、いくつか質問してみましたので下記の通りまとめてみました。

1.外国人は購入できないが、70年リースという方法が利用できる。
2. ホーチミン・シティーの中級クラス・マンション 100平米 20-30万米ドル、高級クラス・マンション 100平米で30万-40万ドル。
3.すでに不動産バブルではないかという見方に対しては、下げてはいるが供給不足感がありそう心配は必要ないと強気でした。
4.レバレッジを利かした借り入れはできるが利息が12-3%と高く、日本で借り入れを行った方が良い。

この夏にでも ホーチミン、ハノイへ一度見に行ってこようかと考えています。 金融引き締め策で当面上がることはなくても、底になった際には投資対象となります。

月曜日, 4月 07, 2008

つかの間の安定?

 東京株式市場は このところ落ち着きを取り戻し、大きく下落することなく安定しています。ただし、上値も重いところから 売り方の買戻し、新年度入りで年金基金などの買いがあるようです。 しかしながら、外国人投資家は海外での損失を埋めるため、まだまだ売り越し基調であることに変わりはないようです。
 アメリカ・欧州の金融機関の四半期決算が今月中旬から発表になることから、警戒が必用です。また、クレジット・ローンなど今まで表面化しなかった問題がでてくる可能性もあり、FRBも非常事態体性を敷いたままではないかと思われます。

 中国株式 上海市場もこのところ上げていますが、アメリカ経済への輸出依存度23%ですが外貨保有高(ドル)ではすでに日本を抜いています。 いよいよ、ドル人民元は7元割れが間近になりました。今月中には1ドル=6.9元になりそうです。 中国経済はインフレ抑制が最優先課題となっており、金融引締めの継続、テンポを速めたドル元の為替政策、株式市場のソフトランディングが予想されます。

 一方、日本の外貨保有高は 1兆155億ドルとなり過去最高を記録し 日本にとってもドルの急激な下落は避けたいところですが、グローバルに駆け回る巨額の資金は すでに ロンドン、N.Y.市場でその流れが決まってしまう時代であり 夕方からロンドン市場から夜のN.Y.市場の様子からは目が離せません。

土曜日, 4月 05, 2008

今回の円高はいつまで続く

2007年8月から始まったドル安円高に際して 3月に95円台をつけた後、4月に入り101-102円台に戻っています。 私の周りでも95円台で円買いを行ったというツワモノがいたり、本日も円は買い時でしょうかという質問をいただきました。 124円135銭のドル高円安のピークが昨年2007年6月13日 でしが 中期的には85円のドル安円高になるものと見ています。
 したがって、相談された方には 80円まで円高行くという人もいますからとお答えしました。
 FRBがいつまで金利の引下げを行うかは重要な事項ですが、3月の非農業部門の雇用者数大幅減に伴い、4月末にはFRB 0.25-0.5%の引き下げが予想されています。
 FRBの金利引下げが終わっても金融引締め つまり 金利引上げを開始するには相当な期間を要するものと思われます。

金曜日, 4月 04, 2008

銀聯カードが使えるATM

日本でも銀聯カードが使えるATMが増えてきています。三菱UFJ銀行のATMには、中文・英文用のメニューが備わっており 6桁のPINコードを入力して 残高照会・引き出しなどができます。中国の銀行国座に10,000元の残高があれば日本円で145,000円というふうに明細書がでてきます。
すでに人民元の国際化(流動性)が始まっているわけですが、基本的には増加していく中国人旅行者への対応です。
 ちなみにCity BankもOKです。

火曜日, 4月 01, 2008

日経平均ドル換算

 海外投資家の目から見た日経平均 4/1終値は $128.2864ですが、直近の安値は 1/22の $118.3123 です。 ドル円の為替により日経平均も換算値が変わりますが、1/22のドル円 106.406円、4/1 99.5737円 (Interbank Rate) というわけで ドル安円高傾向の中 すでに1/22が底値だった可能性があります。 もう一段の下げがあった際でも ドル安円高ももう一段 円高になりますので、仮に日経平均 11,000円、ドル円90円としますと $122.2222と 1/22を下回ることはありません。
 ただし、日本国内はパニック状態は避けられませんが、こういう見方をすることも非常に大切であります。