未曾有の領域に入った欧米および日本経済、また、低成長に入った中国。資産は投資ではなく、どう守るかが問われています。 ただし、日本円だけで通貨を保有するのもリスクがあり、人民元、ドルの保有も必要です。すでに金融システムが機能マヒを起こし、中央銀行のみがその資金供給先となった今日、金融資本主義は新しい仕組みがないかぎり停止してしまうのではないでしょうか。 また、中国、ベトナムについてもレポートいたします。

土曜日, 11月 29, 2008

ダウ と ドル の関係

 従来 ダウが上昇すれば ドル高と決まっていましたが、このところその流れに変化がでてきました。ダウが上がっても ドル高にはならないのです。
 これは FRBがドルを大量に刷り 米国国内の破綻企業の救済および海外の中央銀行への融資 を行っていることで、マーケットが ドルの暴落を警戒していることが背景にあるようです。
  IMFを中心にアメリカと日本でドル中心主義を確認しただけで、各国の思惑はまちまちでした。 すでにブレトンウッズ体制は旧体制になっているので 次のスキームが必要になってきます。
 今後 考えられるシナリオは、
 1) ドルの暴落を待たず アメリカ政府が ドルの切り下げを発表する。
 2) 決済通貨としてのドルは変えないが、ドル・ユーロ+αで通貨バスケット制をトライアルで実施する。
3)ドルの暴落 または ドルの切り下げは困る 中国政府が大量の米国国債を購入し続ける。
などです。

いずれにしても ダウとドルの関係で 潮目が変わってきたのは確かですので 要注意です。 

金曜日, 11月 28, 2008

新卒者の内定取り消し

 日経新聞 によると 来春の新規学卒者の内定取り消しが 300人を超えた 模様です。 不動産関係を中心に 卒業予定の方々はこれから 就職活動をしなくてはいけませんが 雇用環境は厳しい状況なりますのでお気の毒であります。 ちょうど 1970年台後半の オイルショック、第2次オイルショックのときに大手企業を中心に多くの企業が新規採用そのものを中止したのを思い出し、来年度の就職活動は厳しい 戦線になるのは間違いありません。
 すでに 大学を卒業しただけでは 企業にとっての魅力は少なく 、 他の方々との差別化がないと売り込めない状況になっていくでしょう。 あるいは 企業に就職するのではなく 当初より個人事業を営むことも増えてくるのではないでしょうか。

ワークシェアリング

 横浜に本社がある ソディック は 昨日 全従業員の給与の5-20% カットを発表しました。(同時に希望退職も募集しましたが)
 日本では アメリカ型の従業員をカットするのではなく、仕事をわけあうドイツ型の対応が 今後の企業の生き残り策として優れています。 皆が苦難を助け合い、喜びも悲しみも分かち合うのが アジア型資本主義であり アメリカの悪い面を模倣してはいけません。
 今後 輸出型製造業を中心に 損益分岐点を割れる企業もでてくるため、企業は生き残りをかけて先手先手の対応が望まれます。 企業に働く 従業員およびその家族の生活を保持するという 企業経営者のみが きたるべき サバイバル時代に尊敬を集める 経営者になるでしょう。
 しかしながら 上場企業の経営者には "まった なし" の 意志決定がひかえていますので、先見性を見据えて 何事にも動じない ことが重要です。  

木曜日, 11月 27, 2008

海外生活の勧め

 世界的なデフレ経済が始まると 実物(ものの価値)、株式、不動産は下がり 現金の価値が増してきます。 マーケット全体が現金化を急ぐのは 意識的にも また 無意識にも デフレ経済の始まりを意識しています。 原油は 50ドル近辺まで 下落してきていますが 今後 もう一段の下げが予想されています。 (商品としての性格も保有するようになった)金 ですが ドルが下落し始まると 金の価値が上がってきますので、 ドル円の推移は見守りたいとこです。
 今後 の見通しは 物価が比較的安く、治安のいい国へ一次的な避難 もしくは 逃避が いいようです。

中国の利下げ が意味するもの

 中国人民銀行 は 本日 1.07%と 基準金利の大幅引き下げを発表しました。 中国経済は 主に国内要因で GDPの伸び率が一桁と下がっていますので 内需の喚起を期待して 金利引下げを行っているもようです。 アメリカ、ヨーロッパ経済の深刻な後退の影響は GDPに占める輸出の割合が10%程度であることからシンセンを中心に華南地区は影響を受けますが、中国全体を見渡すと 一部の要因となります。
 本日の人民元ドルレートは 1元=6.8357ドル と 7/17の高値 6.8216ドル と 0.2%小幅ながら 元安ドル高で推移しています。 中国当局は 絶妙な 為替のコントロールと金利政策で 昨年から今春へのインフレの抑制および株価と不動産のバブル退治、また、年央より金利を下げることにより国内需要の創出を演出しています。
 おそらく 今後始まる 世界的な恐慌に巻き込まれない 唯一の大国となるのが中国ではないかと筆者はみています。

水曜日, 11月 26, 2008

ダウのゆくえ と 日本企業

 N.Y.ダウは 節目の8500ドルを割っていることから、一時的なミニバブルはあっても今後 5,000ドル台を目指して下落することになります。 5,300ドルくらいで止まればいいのですが、下値の目処は難しいところです。 結果、アメリカ人の消費動向は変化し 辛抱せざるえなくなります。 オバマ新大統領は、国難を皆 団結して乗り切ろうと アメリカ国民へ訴えかけることになるでしょう。
 一方、ドル安が襲ってきますが 1ドル=79円を割ってドルが下落していけば 日本の輸出産業は 壊滅的な打撃を受けてしまうことになります。 しかしながら、円高メリットを受ける流通業にとっては チャンスとなるわけです。 企業の採用抑制、人件費抑制がすでに始まっていますが、危機をチャンスに変える企業は生き残っていきます。 アメリカ流の従業員を含めたコスト削減のみのやり方では、サバイバルは難しいのが アジア社会に生きる 人たちの価値観なのです。
 最後に 日経平均は ダウの鏡相場で ダウにつられて下げるでしょうが、筆者は今後 アジア型価値観を保有した日本企業が復活していくとみています。

火曜日, 11月 25, 2008

実質 国有化されたCiti Bank

Citi BankはBad Loanの政府保証を受けて 実質 アメリカ合衆国 国有銀行となります。 これで預金者は守れます。 日本では 話題になっていない 簿外債務(CBMS, CDO,CDSなど) は 対象ではないかと思われますので 次の公的資金投入ができるのかどうかが懸念されます。
 当局は ドルを刷れば いいのですが それでは 合衆国政府が破綻してしまいます。(ドルの暴落)今回の措置は 影響力を考えて救ざるをえないほど 「大きく影響力がある 巨大銀行」ということでしょうか。

月曜日, 11月 24, 2008

忍び寄る 不況の風

 日本では 欧米に遅れること 不況(実際 今のところ 金融恐慌ですが)が襲ってきそうですが、先日 あるファミリー・レストランへ行った際に 「多くのメニューが品切れをおこしていました、ただし、お客がたくさん来ているわけではなく 不気味な感じがしました」 その1週間後のですが 大手 ファミレスの看板がなくなるというニュースがありました。
 このようなことは突然ではなく じわじわとやってきますのでその風を感じ取れるかどうかが サバイバルの 世の中で 大事なことです。

Citi Bankのゆくえ

 米財務省は Citi Bankへの公的資金の投入を発表しました。 当局は民間による救済を望んでいたようですが、GSが可能性がないことを早々に発表 そのいくえに注目があつまっていました。
 今回の公的資金の投入のみでCiti Bankを救済ききるとは関係者思っていませんが、次をどうするかまた訪れる危機に対応が必要となります。
 グループの分割および売却が考えられますが 買うところがでてくるかどうかが疑問でもあります。
 ちなみに 筆者はCiti Bank、ソロモン・スミスバーニーとも口座を保有しています。
 ひとまず ダウ先物は好感して 50ドルほど上昇しています。

東京マーケット休日

 東京株式市場、東京マーケット 休日のため ドル円 ボラタリーが大きくなり 上下しそうです。 朝方 96円06銭までドル高となり その後 現在 95円02銭前後で動いています。
 今夜のN.Y.マーケットがどう動くかですが 公的年金筋がお休みだとすると ダウ、ドルともに下げるのではないでしょうか。

金曜日, 11月 21, 2008

香港ドルは安全な通貨

円以外の通貨に対して ドル高となっている昨今 ドル安の通貨があります。
香港ドルはドルペック制をしいていますが 香港当局の介入で香港ドル高抑えているようです。
 具体的には 6/12 高値 1US$=7.8176HKドルから 直近 7.74982HKドルまで 香港ドル高USドル安で0.867%の上昇率です。
 アジア通貨は人民元含めのきなみドルに対して下落している中 香港ドルは 通貨の避難先となっているようです。実は 香港政府当局は 2010年末まで 銀行預金の全額保証を発表しているため 海外から香港へ集まってきている可能性もあります。
 ちなみに 香港ドル円は 香港ドル安円高基調です。

水曜日, 11月 19, 2008

ユーロの行方

 昨日11/19 ECBは 利下げについて 可能性ありのコメントをだしましたが、先週マーケットはそれを読みこもうとしましたが 先週末の日本の単独介入により 充分 読み込まれた状態になっていません。
 つまり、下げるときの速度が急激になる可能性が大きいのです。 ドル円も同様ですが、人為的な介入をおこなっても一時的な状態を作り上げるだけで トレンドが変わるものではありません。

昨夜のN.Y.マーケットはさすがにダウが大幅に下げたため 119円50銭まで ユーロ安円高となりました。ただ、まだまだ介入は続きそうで 当面 119円台 - 124円台で動きそうです。

  

火曜日, 11月 11, 2008

香港のHSBC

 HSBCの方を話をする機会がありました。 昨日11/10 世界的な人員削減策を発表しましたが、香港でも400人くらい削減のようです。 香港では金融関係の人員削減策が進んでいましたが、HSBCの発表で他の金融機関へも加速しそうです。 とはいってもHSBCは預貯金部門は 安定収益部門で アメリカでの個人向けローンの焦げ付きに起因した リストラクチャリング策です。
 HSBCは 2007年3月に サブプライムに手を染めたアメリカの責任者を解雇し いちはやく サブプライムの影響をレポートで警告した 世界で安全な銀行のひとつと言われています。
 

月曜日, 11月 10, 2008

広州のSubway

広州のSubway といっても地下鉄のことではなく 日本にもある サンドウィッチ・チェーンのSubway のことです。 餅っぽいパンが多い 広州(実際 パン屋は餅屋 と書いてあります)の中、数少ない おいしいパンが食べれるお店です。 日本、アメリカとの差はありませんが、コーヒーの値段がお店によってまちまちです。 あるお店では 20元(290円) 、別の店では10元(約145円)と違うのでコーヒー好きの筆者にとっては重要なことです。
 また、広州にはジャスコがあり 地元っ子にとっては 欠かせないデパートです。その中のパン・コーナーでは パンを説明する女性が立っており どいうパンか説明してくれます。 言葉がわからないのでお勧めのパンを買ったら あんこがはいった パンでした。

 パンについては ベトナムでは何の苦労もないことを付け加えておきます。

中国の財政投資

 中国当局は 約60兆円の財政投資を発表しましたが、あくまで国内経済(株価対策が主)へのてこ入れです。 本日 上海マーケットは反応、上昇基調です。 中国経済は 内需が約70%、輸出が約10%、資本・証券投資などが20%ですが、内需を刺激しようという 資本主義的な考えに基づいています。
 中国国内の書店へ行くと アメリカで発売禁止のおびがついた「金融危機」の書籍が並んでおり、また、「フラット化した社会」も置いてあります。 もちろん中国語ですが、おもしろいのはカール・マルクスの「資本論」(写真・解説つき) が65元(約940円)あったので 筆者も一冊 購入しました。
 辞書を片手に読む予定です。
 いずれにしても、高度な資本主義(複雑すぎて誰も把握できなくなった金融資本主義)が崩壊寸前 あるいは 崩壊してしまったわけですから、原点に戻り 「資本論」を読み返すのもいいかもしれません。

日曜日, 11月 09, 2008

オバマは牧師のように人々に感動を与える

 選挙後 オバマは 金融危機対策チームの編成、選挙後の演説をおこないましたが、その演説が 人々に感動を与えて CNN、ブルームバークなど で ジェシー・ジャクソン、マジック・ジョンソンなど黒人の立場からの意見が多く流れました。
 演説の中で 「この国に ホワイトもブラックも スパニッシュも アジアもない ・・・・」 は この経済環境の中 人々に感動を与え 涙を流している人たちが 写しだされていました。 筆者は オバマは 神が選んだ 牧師であり イラク戦争で分断してしまった合衆国の人々をまとめるリーダーのように見えました。 また、アフリカ、アジアを初め 有色人種(カラード)にとっては 画期的なことが起こったわけで、アメリカが「グローバリゼーション」から「多様性」を認知する可能性んもでてきました。 ロシア、中国、イランなど世界中の主導者が期待も含めてそのような見方をしだしています。

 深刻な 経済については 財政出動をしても 5年間も落ち込みは防げないわけですが、「Yes,We Can!」を合言葉に 8年後に立ち直るかです。 一方、今後 一部のキリスト教原理主義者たちが ことを起こさないかが心配でもあります。

広州だより

 本日11/9(日)まで 広州にいましたので 様子をお伝えします。
・ まず、景気動向ですが アメリカ、欧州、また 今後の日本と比較したら 一桁になったとはいえプラス成長で 街中は明るいです。 地元の人によると不動産は買い控えがおきているため ひところより10-20%下がって取引されているとのことです。 

・昨日は シンセンのバオアン地区で 警察署が群集に取り囲まれ 道路で暴動になったニュースに驚きました。 テレビのニュースでも映像が流れ、地区の長が火消しにコメントするということがありました。 ことは、無免許のバイク・タクシーの若者が (警察ではなく)地区の監視人の検問をふりきったため 監視人がトランシーバーを投げつけたところ ドライバーに当たって バイクから投げ出され死んでしまったという事件でした。 家族が怒って警察へ行き 60万元を要求 20万元の支払いを受けたのですが、200人の群集が警察を取り囲み 騒ぎになり 野次馬 2000人に膨れ上がり パトカーは破壊されてしまったという事件です。(暴動の後 60万元支払われたようです)
 背景には 輸出産業が主の シンセン地区では 解雇、賃金不払いなどで 労働者(手稼ぎ労働者)の不満が高まっており 不満に火がついてしまったようです。
 広州東駅には シンセンからの列車が着きますが 今日は日曜ということもあり、改札を次から次に若者がでてきていました。
 一方 出稼ぎの乙女(10代の少女)が故郷行きの切符を買ってくれと手持ちのお金を握って、近寄ってきましたが どこ行きかはわかりませんでした。(言葉がわからないのですが そんな感じでした)
 また 続編を書きます。