未曾有の領域に入った欧米および日本経済、また、低成長に入った中国。資産は投資ではなく、どう守るかが問われています。 ただし、日本円だけで通貨を保有するのもリスクがあり、人民元、ドルの保有も必要です。すでに金融システムが機能マヒを起こし、中央銀行のみがその資金供給先となった今日、金融資本主義は新しい仕組みがないかぎり停止してしまうのではないでしょうか。 また、中国、ベトナムについてもレポートいたします。

月曜日, 3月 31, 2008

世界的な過剰流動性は収縮する?

 過剰流動性とは、わかりやすく言うと「いわゆるお金が市場にあふれ実態経済とかけ離れたところでお金が動き回ることです。」 日本のケースでは、80年後半から90年初頭にかけて 不動産・株式・絵画などバブル経済が発生し急速に萎んでしまいました。 急速に萎んだ理由には、金融引き締め、不動産融資規制など当局の徹底したバブル退治がありました。
 今回のサブプライム問題から発生しているアメリカの金融危機では、不動産バブルの発生とその収縮に伴い不良債権が発生し、金融機関同士の相互不信から来る貸し出し規制が発生しています。FRBの昨年9月からの金利引下げでは、アメリカ金融機関の信用回復は望めないため なりふりかまわない資本増強、市場へのじゃぶじゃぶ市場への資金提供 が行われています。
 一時的なミニ・バブルが発生してもおかしくない状況が生まれてくるのではと予想されます。世界的な過剰流動性は 現在 債券・商品市場に流れていますが、一瞬にして世界を駆け回る電子的なマネーはインターネットを駆使したITが基盤にあることを忘れていはいけません。
 世界的な過剰流動性は、当局が資金供給をするかぎり膨張して 破裂した時の影響が大きくなってしまうという危険をはらんでいます。

木曜日, 3月 27, 2008

ドル円は反転!!

 ドル円は 3/25の101円04銭 の高値をつけ反転 3/27 N.Y. 99円割れ寸前で推移しています。
基本的に FRBのF.F.金利が下げ止まるまでは 円高が続きそうですが、日本が利下げに動くようであれば 日米金利差 が ひらくという思惑で 一時的に円安にふれる可能性が大です。
 筆者の予想では 当面3ケ月内に 一時的な90円割れはあり そこからドル高円安の流れになるかどうかだと見ています。
 ここは円を低利で借り、ドルへ交換、海外で運用するタイミングであります。レバレッジ効果を狙うわけですが、あくまで個人投資家 余裕の範囲内で行いましょう。

買い時を探る

  金融引き締め策をとると株式・不動産は下落傾向です。 現在、上海株式、中国不動産、ベトナム株、ベトナム不動産 は下落傾向にあります。日本において金融引き締め策をとっているわけではありませんが、米国の影響で株式下落、建築基準法見直しおよび銀行の開発プロジェクトへの慎重な姿勢もあり不動産も軟調ぎみです。
 このような時はじっとしてて動かず タイミングをみて出動するわかですが、見極めが重要です。日経より個人投資家向けのタブロイド誌が発刊され筆者も購読をしています。 おもしろいのは、REITが解散価値以下に下落しているにもかかわらず回復しない ということです。 ただし、外資が底値とみたらここぞという時に買い捲ることです。 不動産は 指標が投資収益率ではなく賃貸利回りでメジャーするようになっていますので、日本の不動産株をいつ購入するかは考えておくべきことだと勉強させてもらいました。
 筆者が保有している中国不動産は 金融引き締め策が継続になるという判断で 近々 売却予定です。 中国は経済成長をしていますので、売り時は賃貸利回りではなく投資収益率での判断となります。

水曜日, 3月 19, 2008

ドル、円、人民元

 この1年で 各レートを比較してみました。(2007年3/13-2008年3/19 InterBank Rate)
・ドル/円は118.043円から97.6909円へ17.2%のドル安円高へ
・円/人民元は、15.2564円から13.8149円へ9.5%の元安円高へ
・ドル/人民元は、7.7573元から7.0914元へ8.6%のドル安元高へ
つまり、円>元>ドルの強さとなります。 円には、ドルからの避難先といういう意味合いが、元には流動性がないので中国国内要因からインフレ対策としてドル安元高誘導、元円13.8149円は2005年9月頃の水準へ戻っています。 ちなみに ドル円が97円台だったのは、1995年9月となります。

ドルの買い戻し

 昨夜のN.Y.ダウは ゴールドマン・サックス、リーマン・ブラザーズの四半期決算が予想よりも良かったことがきっかけで大幅高を演じ、東京市場も上値が重いものの12000円台に戻しました。 ドル円はドルの買戻しで 朝方 100円46銭までドル高円安となりましたが、ロンドン市場で97円67銭まで円高、アジア株は総じて高くなったものの、欧州株は軟調です。
 FRBのFF金利0.75%の下げにもかかわらず金融危機は去っておらず、今後 何度かの金融機関の破綻危機がおとづれるおのと予想しています。この結果 近い将来 ドル円は90円割れを覚悟しておく必要があるでしょう。その場合、東京株式市場は輸出関連株の急落を中心に11000円へ向けて総崩れとなりそうです。 しかしながら、電力・ガスは円高メリットの恩恵を受けますので、ある大手外資証券会社では すでに大量の買いをいれているようです。
 明日 3/20は 日本の休日にあたり ヘッジファンドは ドル円では仕掛けてくる可能性が大いので、ポジション ロングはやめておいたほうがよさそうです。
 

月曜日, 3月 17, 2008

本日3/17 東京市場ドル暴落でパニックでしたが、ドル安は読込み済みの金融機関もあり!

 朝方 98円台で始まったドル円でしたが 一気に95.74円とドルは暴落 現在 97円20銭近辺です。
朝方のベアスターンの身売りニュースに、東京市場が開く前の米国の公定歩合の0.25%の下げに 加えて 他の金融機関の評価損の噂が重なり 3円近く 円高となりました。 日経平均は 暴落 12,000円を割りました。
 どうも 市場の当初の予測より ドル安は急激で、流動性のみならず大手金融機関の破綻という金融危機の様相です。 FRBおよび米国財務省の綱渡り的な対応で危機を防いでいるものの、大統領声明を見ていると当局も相当パニックにおちいっているようです。
 一方、 いい意味でしたたかな金融機関 ゴールドマン・サックスはこのドル安は半年前から見込んでいましたので、円安時に日本の不動産購入しがっちりとドル建てで時価評価額を上げています。もちろん、まだ売却はしないと思いますが、ゴールドマン・サックスは他の金融機関とは違います。

昨年9/8の筆者ブログより
 「2.ティファニーの銀座本店ビルをゴールドマン・サックスが380億円で購入 一般に2.5%利回りの賃貸収入が得られるからとコメントされていますが、筆者は次のようにみています。つまり 今後 ドル安円高によりドル円は100円になることを前提の投資であることです。 ドル建て3億2800万ドルは将来 同額で売却でも、115.8円から100円のドル安円高で換算すると、3億8000万ドルで5200万ドル(15.8%のパフォーマンス)と予想できます。」

土曜日, 3月 15, 2008

危険な個人投資家の行動

 3/14 東京金融取引所における個人投資家の通常取引の5倍 15億ドル( 101円換算で1515億円で、2007年平均は3億ドル)にのぼったようです。 これは円売りドル買いによるものが大半ですが、円売りドル買いの行動は、米国の金融危機から今後とも発生する混乱を読み取らない危険な投資行動といえます。
 一般紙、経済誌により専門家は 当面100円割れがあるかどうか書いていました、このような記事が個人投資家の自殺的行為を生み出してしまうことに憂いを感じえません。
このような記事は 2007年8月以降のドル円の大幅調整であることを読み取れておりません。
 昨日 3/14 N.Y.でいっきに98円85銭をつけましたが すでに 98円のバリアへ向かっています。
 おそらく 3/18のFRBの利下げは0.75%-1.0% で FF金利は2.25%-2.00%となり、金融危機が第3の局面へ向かうと限りなくゼロ金利へ向かうこととなりそうです。

 注) 第3の局面 : 金融機関間の貸出し制限が金融機関から一般企業への貸出し制限におよびだすこと。 FRBはこの局面を恐れており第2局面の現在 大量の資金供給を市場に行っています。
 3/14のベア・スターンズへの資金供給は すでに間接的な公的資金の投入を意味しますので、大手証券会社の資金繰りからくる倒産はださないという当局の固い意志だったわけです。

金曜日, 3月 14, 2008

1$=100¥割れは通過点

昨日 3/13 99円77銭、また、本日 3/14 99円57銭をつけた ドル円相場ですが、98円をターゲットに推移しているようです。 米国金融不安に伴う ドル安ですので、NY連銀とJPモルガン・チェスがベア・スターンズ証券に緊急融資するというニュースにN.Y.株式市場は反応 大幅下落 また、ドル円は N.Y. 午前101円前後から急落しました。
しかしながら、好景気に伴い物価、不動産、金利上昇してきた米国 と 低成長、ようやくゼロ金利から脱しても低金利の日本とでは、長らく 円安に放置されていたドル円が調整される過程であると理解すれば80円割れするかどうかは別にして 100円割れは 単なる通過点であること分析できます。
 米国の金融危機は、90年代後半 拓銀、山一など 金融危機を経験した日本からすると 早く公的資金を導入して金融危機を回避すべきと見ていますが、すでに、サブプライム問題から通常不動産へ投資した証券の投売りになって危機が拡大していくものと読み取れます。(一般の新聞、経済誌ではここまで書かれてません)
 FRBは一時回避的な大量の資金供給で危機を回避しようとしていますが、資金繰りの悪化は今後とも発生するでしょう。 

水曜日, 3月 12, 2008

3/12 上海株式市場 下落 

 3/12 アジア株堅調の中 上海株は95.76ポイント下落 4,000割れ寸前の4,070.12 で引けました。 中国国内要因 による下落が続いていますが、先週の全人代により当局の引き締め政策は当面継続が確認されました。一方、ドル人民元は2008年初より現在 2.7% 元高であり 当局の元高誘導姿勢が読み取れます。 現在 中国では物価上昇率が高く、声明はださないものの為替政策で少しでもインフレ抑制を行おうとしています。
 

土曜日, 3月 08, 2008

リセッション入りした米国経済

 雇用統計が発表され予想を上回る63000人減少(非農業部門)に N.Y.ダウ下落、ドル安とマーケットは米国経済のリッセッション入りを織り込み済です。 今月のFRBで利下げ(0.5-0.75%)実施も織り込み済で当局の大量の資金供給にもかかわらずドル安は続き、ドル円は100円割れとなりそうです。
(3/8 一時的に101円40銭)
 今後 ドル円が100円割れをおこした場合(101円割れがバリアといわれています) 相当の円買いの勢い圧力が発生しそうです。
 東京株式市場は この円高にパニックとなる懸念があります。 80年代後半に円高不況に襲われた日本経済でしたが、今回は 円高・資源・材料高のリセッション懸念がでてきました。つまり、輸出主導型日本経済は 資源高・材料高をコストに反映していくことになていきますが、人件費は抑えられまま、あるいは、抑制されて 個人消費は低迷するという構図です。

 米国経済は、金融機関への公的資金による下支え か パーナンキン議長が提唱している銀行の住宅ローン減額という荒療治が実施されて、いったん金融不安が落ち着くのではないかと考えられます。
今後 第一四半期の決算が予測され 大手金融機関に巨額の追加損失がででくる可能性は否定できないわけですから、大統領予備戦で公的資金投入は避けたい政府・議会に対して金融当局は金融機関へさらなる資本増強・住宅ローン部分の減資を呼びかけています。

火曜日, 3月 04, 2008

中国人と日本人の管理職では

 日本人の部長職は平均月給 56万円、中国人外資系部長職平均月給 10万円 この話を日本の経営者へ話すと皆さん 驚きます。 ひとつには 月給 10万円というのが高いか低いかということですが、中国国営企業の従業員給与が12000円-15000円だということを知っている方は 高いと評価します。また、別の方は10万円? と日本の給与水準と比較して低いとの評価をされます。 この外資系部長職は英語の読み書き、会話ができますので 外資で働いています。
  

月曜日, 3月 03, 2008

次なるターゲットはドル円は101円台へ! ! ! !

 投機筋の情報では 100円突破へ向かうドル円は 動きが早く 早ければ今週中にも101円台に上昇するという予測がされています。 3月決算期は 日本法人の海外拠点より本国送金(ドル→円)と重なり、ドル売りに加え、円買いがも進むという 季節的要因により 加速度的に ドル安円高が進むわけです。
 外需頼みの日本経済は、円高によりリセッション入りも懸念され 3月度は大幅な株式下落につなります。
 しかしながら、円高は国力を高める意味があり 中長期的には心配はいりませんというのが筆者の考えです。 一般的には、日本企業は人件費を上げず原価を押え連続増益を続けてきたのですが、円高と資源・原材料高は 輸出企業の減益 と 人件費もあげるにあげられず個人消費も低迷するが、インフレ経済へ忍び寄る という 難しい局面を迎えました。

狼狽する東京マーケット国内投資家

 本日3/3 の東京マーケットは、激震が走りました。 先週末のドル安円高の流れを受けて 東京株式市場は大幅下落610円安の13000円割れとなりました。 また、ドル円は102円66銭まで進みました。
 買手不在の中 先物売りに現物売られるという状況で この先底値は11000円台かと思われます。

 基本的には マーケットにアメリカのリセッション入り懸念 と 金融不安があり、株式市場およびドルから資金が逃避しているわけです。 このことが理解できていれば、どう行動をとればいいかは冷静に対処ができます。 株式は内需関連の電力・ガス・薬品以外は底値と分析してもでも拾わない。 不動産は株式に遅れて下落する傾向がありますので手を出さない。 したがって、現在、インフレ対策として個人が購入した方がよいのは「金」などの商品となります。
 東京、香港、シンガポール、ベトナムなどアジア株総崩れの中、上海は89.72ポイント上げ 4,438ポイントだったのが気になります。 非公式情報によります 今週の全人代で 昨年からの当局による総量規制が少し緩和されるではという情報があります。 しかしながら、この情報は非公式情報であり、マーケットの評価はインフレ抑制、バブル抑制の引き締め策とのことのようです。今月号の「世界」にはこのことが記されていますので、興味ある方はご一読を。

土曜日, 3月 01, 2008

ドル安 対円103円台突入

 本日2/29 N.Y. 為替市場 103円88銭 と今週2/25の108円22銭から一気にドル安が進みました。これはFRBの利下げ、金・原油および商品市場への資金流入など言われていますが基本的にアメリカ経済リセッション懸念と金融不安が根底にありそうです。 105円を突破したことで 当面 105円前後で推移しそうですが、次のターゲット 100円へ向けて3月下旬から春先にかけて動きそうです。
 ドル安は ベトナム株式市場軟化にも影響を及ぼしています。 2/29現在 VN INDEX 663.30ドンと700ドン割れが続いています。 当局の金融引き締め策とドルにペッグしているベトナム・ドンも軟調で 国内インフレ懸念がもたげています。 ただし、売っているのは国内投資中心で外国人から見ると買い局面といえます。
 為替面をみていくと「人民元」で保有するのがいいのですが、当面 U.S.ドルより日本円で保有しておく方が得策となっています。